くすかき十八日目。白樟の杜。

くすかき十八日目。今朝は気温6度と冷え込んだ。天候は晴れで日中は25度まで気温が上がった。6:30からの〈朝のくすかき〉には大人13名、子供9名、合計22名が集った。

 

先日の日曜日が今年最後の〈くすのこうたき〉で、水蒸気蒸留による葉っぱからの樟脳抽出作業を終えた。そして今日から「昇華」がはじまった。昇華は樟脳から不純物を取り除くプロセス。

 

樟脳は液体の状態がなく、固体を熱すると気化する性質がある。それを利用して、ガラス椀に入れた樟脳に下から熱を加え、ガラス椀に冷やした蓋をしておくと、気化した樟脳が蓋の底で再結晶化し、ガラス椀には不純物が残り、混じりっ気ない純度100%の樟脳になる。

 

この純度100%の樟脳が再結晶化する時にできる形がある。しかも毎回ではなく、何かの条件が整った時にできる特別な形。

 

なんとその結晶の形は、木のような、葉っぱの葉脈のような形をしているのだ。まるで、樟の葉の中にいた頃の記憶が作用しているかのような光景に毎年何度見ても感動する。

 

あたりは樟脳の香りに包まれていて、まるでそれは真っ白い樟の杜のようなのである。

 

年に一度出会うことができる〈白樟の杜〉

 

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昨日のお休み分もあったので落葉は多かった。

 

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少しでも高く、その1枚を積み上げる。

 

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ぱっと見た感じはほとんど若葉になりました。でもまだ若葉の影に隠れているのがこれからしばらく落ちて来ます。

 

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日中の山かげ亭では、たくさんの方々のサポートに支えられて樟香舟と芳樟袋の制作作業が佳境を迎えています。

 

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蓋の底に再結晶化した樟脳。

 

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よく見ると、木か葉っぱの葉脈のような形をしている。

 

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爽やかな香りに包まれた白樟の杜。〈くすかき奉加帳〉という一口2000円の寄付制度に参加してくれた方へのお礼の品の一つである樟香舟の中に、この樟脳を詰めてお送りします。