くすかき十五日目。ツツジが咲いたので後半です。

くすかき十五日目。6:30〜〈日々のくすかき〉(参加者30人)。10:00-15:00〈くすのこうたき〉(参加者12人)。16:00〜の〈日々のくすかき〉は歌舞伎公演が開かれるため中止。

 

桜が終わり、ツツジが咲いた。藤の花のつぼみが膨らんでいる。〈くすかき〉会期の3週間は週替わりで花が咲く。最初に桜が咲いて、次にツツジが咲いて、最後に藤が咲く。

 

ツツジが咲いたということは、もう会期は後半ということ。樟はこれから枝をたくさん落としはじめる。

 

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歌舞伎公演のため、天神広場に舞台が組まれ、イスもずらり。

 

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ということで6:30〜〈日々のくすかき〉は天満宮幼稚園前を〈くすかき〉します。

 

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幼稚園の土俵にも誰かがしっかりと縞模様を入れている(笑)。葉っぱの落ちてくる場所を整える、、、(笑)。12日(火)に、いつもの場所に掻き山は戻ります。

 

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地元の方の玄関先です。こんな風に〈くすかき〉受け入れていただいております。うれしい。「あんまり上手に生けれなかったの。ポスターここで良かったかしら?」とのこと。いやいや美しいですし、ポスターの場所もありがたいです。

 

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〈くすのこうたき〉水蒸気蒸留中。ダブルうちわで扇ぎます!

 

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「あしたはぜったい筋肉痛だ〜」とのこと。

 

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樟脳、採れるかな。

 

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水蒸気蒸留名物の噴火です。蒸気圧が上がって噴火が起きます。

 

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粘土質の土を山から採ってきて補修します。1箇所塞ぐと今度はまた別の場所が噴火。「あーこっちも」「あーこっちもやばいー」「お母さん早くー」「けむりで目が〜」てんやわんやが、また面白い。

 

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ツツジが咲いたので〈くすかき〉後半です。


くすかき十四日目。学校がはじまったので7:00終了目標。

くすかき十四日目。6:30〜〈日々のくすかき〉(参加者21人)。10:00-16:00〈山かげ亭での制作〉(参加者6人)。

 

ここ数日で始業式や入学式があり、春休みが終わり学校がはじまった。〈くすかき〉に参加してくれている小中高校生たちも学校の時間に間に合うように出発しなければならない。その結果、今朝からは6:30にスタートし7:00終了を目標に定めることにした。

 

落ちている葉っぱの量、〈くすかき〉する範囲、集まった人の数や熟練度、といった要素を加味して時間通りに収めるのは、なかなか簡単なことではない。がしかし、見事に7:00に収まるように〈くすかき〉することができた。素直にみんなすごいと思う。しかもちゃんと松葉ほうきを片手に楽しい立ち話も時折しながらである(笑)

 

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今朝の落葉は多かった。天満宮幼稚園の前の樟は真っ赤で小さい葉を落とす。

 

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かなり若葉が目立つようになってきました。

 

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落ちてる葉っぱの量、範囲、人手、経験、それらをバランスよく、会話も楽しみながら時間に収める。

 

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今年の最年少参加者。1歳4ヶ月のりんたろうくん。葉っぱはやっぱり直接手でいきたいようです。

 

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6年1組になりました!いってきます!/はーい!お疲れ様でした!いってらっしゃーい!

 

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7:00に収める。

 

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山かげ亭での制作風景。芳樟袋のパッケージ。中川政七商店さんがご提供してくださっている生地の色は毎年微妙に変化します。春らしい4色の中、今年は黄緑色の評判が良く人気になりそうな予感。


くすかき十三日目。新しい〈くすかき〉のあり方を想像した。

くすかき十三日目。6:30〜〈日々のくすかき〉(参加者25人)。10:00-16:00〈山かげ亭での制作〉(参加者5人)。

 

掻き山を移動して気づいたことがある。掻き山は近くの樟の木と関係性をつくるということだ。これまで13年間毎年同じ場所で〈くすかき〉を行ってきた。その時に向き合う樟の木は近くにある3本の木だった。今回、週末に歌舞伎公演が行われるため一時的に太宰府天満宮幼稚園の園庭に掻き山が移動してきたのだが、幼稚園には幼稚園の樟の木がある。すると、自然とその樟の木を中心に〈くすかき〉をするようになり、その葉が掻き山に加わり、幼稚園の樟の木と向き合うようになる。

 

太宰府天満宮の境内には約100本の樟の木があり、ナンバリングされて管理されている木は51本存在する。それならば、毎年向き合う樟の木が変わっていくようにすると、51年で同じ樟の木にもどってくるというようなサイクルで〈くすかき〉をすることもできるわけだ。樟の木には一本一本個性があり、生えている場所も境内の各所に至る。ロケーションも葉の特徴も一年ごとに少しずつ変化していく。毎年、向き合う樟の木を変えながら51年かけて境内を旅するという新しい〈くすかき〉のあり方を想像した。

 

「自分が15歳の時に〈くすかき〉して向き合った樟の木はあの木だった」とか、

「あの年の樟の木の場所でする〈くすかき〉が好きだった」とか、

「今10歳だから、次にこの樟の木で〈くすかき〉するのは自分が61歳の時か!」

なんて話がされる未来を想像してみた。

 

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樟のまわりに柵がない。これがこの地の原風景。

 

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宝探しをしているのではありません。枝を拾っているのです。樟は、葉っぱ→枝→花→実の順番に落としていき、季節の変化を教えてくれます。

 

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一時的な設置場所のため柵をコンパクトにしているせいか掻き山がとても大きく見える。

 

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幼稚園に掻き山があると、幼稚園の樟の木と向き合うようになる。この樟は小さくて真っ赤な葉っぱを落とす特徴がある。葉が小さくて赤いのは幼稚園という場所をまるで意識しているかのようだ。


くすかき十二日目。ラジオ出演とタイムトラベル。

くすかき十二日目。6:30〜〈日々のくすかき〉(参加者20人)。10:20-35〈ラジオ出演〉。

 

今日は毎年恒例となったラジオ出演の日。太宰府から電車で30〜40分ほど移動し、天神にあるLOVE FMへ。15分ほどお時間をいただいて〈くすかき〉の紹介をさせていただいた。

 

DJのAnnaさんとの対話の中で「太宰府天満宮のあの空間に行くと、昔の人も同じ風景を見てたんだろうなぁと思うんです」という話が印象に残った。それはまさに〈くすかき〉の楽しみ方の1つ。松葉ほうきを持って1000年生きる樟の木の下で落ち葉を掻くと、きっと100年前の人も、そのずっと前の人も、はたまた100年後の人も、この同じ所作を通じて、春と、この空間と向き合うのだろうなと想像することができる。それはまるでタイムトラベルをしているような気分にすらなる。

 

1000年生きる樟の杜では1つの所作で時空を超える体験ができる。

 

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LOVE FMにてDJのAnnaさんと。

 

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毎年、リスナーの皆さんにお知らせする機会をいただけることに感謝です。楽しくお話しさせていただきました。Annaさんありがとうございました!

 

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新たな場所と向き合う。

 

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週末の歌舞伎公演に向けて掻き山は一時移動。柵のない珍しい風景。

 

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天満宮幼稚園の掻き山。

 

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場所が変わっても大事なことは同じ。しっかりと場所を整えます。

 

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今日が始業式。〈くすかき〉を終えそのまま中学校へ向かいます。いってらっしゃい。

 

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樟を守るために柵が設置されたので、これは元々の風景。


くすかき十一日目。初の掻き山の移動。

くすかき十一日目。6:30〜〈日々のくすかき〉(参加者29人)。10:00-16:00〈山かげ亭での制作〉(参加者19人)。

 

歌舞伎〈平成中村座 太宰府天満宮奉納特別公演〉が今週末4/9,10で行われる。その客席が〈くすかき〉の柵の位置と重なるため一時的にすぐ近くの天満宮幼稚園の園庭に移動することになった。会場設営準備が明日6日からはじまるため、今朝6:30の〈くすかき〉に集まったみんなと柵と葉っぱを移動させた。

 

くすかき史上初の掻き山の移動となったが、みんな葉っぱの扱いに慣れているせいか20分ほどで移動が完了した。

 

一時避難場所ということもあり柵も小さく組んだのだが、園庭というロケーションのせいか、掻き山がなんだか可愛らしく、どこか遊具のようにも見えてしまい、なんだかニンマリしてしまった。石灯篭や大きな樟ではない、幼稚園という背景によって、掻き山の見え方が変わる。なんだか新鮮な発見だった。

 

天満宮幼稚園に設置する期間は4/5-12。12日の朝6:30に元の場所に、またみんなで戻します。

 

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流れるような移動作業。みなさん流石です。

 

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これまで柵があった場所もしっかりと整えます。

 

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元の風景に戻ったのに、なんだか不思議な感じ。

 

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園庭の掻き山。なんだか可愛らしく見える。しばらくお世話になります。

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山かげ亭での制作風景。今年の制作ペースは順調です。

 

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制作チームの横の机では、春休みの宿題に取り組む高校生と遊んで欲しい小学生の図。


くすかき十日目。お休みの日の樟脳回収。

くすかき十日目。今日は月曜日なので〈くすかき〉はお休みだが、6:30から、昨日の〈くすのこうたき〉で水蒸気蒸留した樟脳の回収のみ行なった。

 

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こんぺいとうみたいで甘そうだが、樟脳は決して食べてはいけません。収穫量はバッチリです。


くすかき九日目。〈くすかき〉らしい朝。

くすかき九日目。6:30〜〈日々のくすかき〉(参加者22人)。10:00-15:00〈くすのこうたき〉(参加者10人)。16:00〜〈夕方のくすかき〉(参加者13人)。

 

昨日に引き続き今朝もかなり寒い。天気予報を見ると太宰府の朝の気温は2度とか3度といった表示。寒いと落葉も止まる。落葉が少ないと集まる人もなぜか少ないのが〈くすかき〉。もしかしたら単純に寒くてお布団から出られないのかもしれない。笑。

 

3日前の大雨が落葉の第一波だった。今日は場所を整えた。〈くすかき〉は「次なる葉っぱの落ちてくる場所を整えること」を大切にしている。そういう意味では今朝は葉っぱは少なかったけど〈くすかき〉らしい朝だったと言える。

 

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朝6:30の境内。ほとんど落葉はない。

 

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〈くすかき〉らしい朝。

 

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「整えましょうか?」「はい。お願いします」。縞模様を入れて場所を整える。場所を整える時間は自分の内面を整える時間のようにも感じる。この姿を見ているのもまた不思議と気分がいい。

 

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朝の〈くすかき〉が終わる7時過ぎ頃に、ちょうど境内に朝日が差し込むタイミングが重なるようになってきた。この光景がまた神々しい。

 

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昨日の〈くすのこうたき〉水蒸気蒸留で樟葉から抽出した樟脳の回収。

 

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収穫量バッチリです。

 

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今日の〈くすのこうたき〉は何故か子供がいなかった。散らかってないので片付けがとんでもなく楽だった(笑)が、彼らの声やハプニングがないのは、静かすぎてやはりちょっと寂しかった。

 

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長く使って痛んでしまった松葉ほうきを解体。その姿は未来の職人か?

 

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夕方のくすかき。日中気温が上がって風があったので意外と落葉があった。

 

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美しい。


くすかき八日目。そこにちゃんと春が来ている。

くすかき八日目。6:30〜〈日々のくすかき〉(参加者29人)。10:00-15:00〈くすのこうたき〉(参加者11人)。16:00〜〈夕方のくすかき〉(参加者17人)。

 

昨夜から冷え込んで今朝はかなり寒かった。三寒四温。正に春らしい気温の変化に、寒いけれどなんだか嬉しくなる。そこにちゃんと春が来ていることを感じられるから。引っ込めたダウンジャケットを再び取り出した朝だった。

 

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何年か前に職人さんを招いて行なった松葉ほうきつくりのワークショップで作ったマイほうきを肩に担いで朝の境内に登場した姿が素敵でした。掻き姿も素敵です。

 

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左:赤樟の落ち葉、右:白樟の落ち葉。樟は大きく分けて赤樟と白樟の2種類があり、更に個体差があります。

 

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樟葉以外を分別中。人によってはかなり厳しいチェックです。

 

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縞模様を入れて、次の葉っぱが落ちてくる場所を整えます。

 

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〈くすのこうたき〉水蒸気蒸留で樟葉から樟脳を抽出します。まずは葉っぱを砕きます。

 

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砕いた葉っぱに下から水蒸気を送ります。蒸してるような感じ。

 

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山から下ろした木を切って、、、

 

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それを割って、薪にします。

 

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水蒸気のパワーがすごくて、回収タンクのビニールシートが反転し膨らんでます。今年の窯は出来が良いようで圧がしっかり上がっております。収穫に期待が膨らむ。

 

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夕方のくすかき。日向は暖かくて、日陰は寒い。


くすかき七日目。大量の落ち葉と新芽の皮。

くすかき七日目。6:30〜〈日々のくすかき〉(参加者32人)。昨日の大雨で一気に大量の葉が落ちた。地面は樟葉で埋まっており正に落ち葉の絨毯。

 

そして今朝から〈新芽の皮〉が落ち始めた。新芽の皮は新芽を包んでいる白い薄皮のようなもので、これが落ちてくると、いよいよ樟若葉が開きはじめる。

 

最初は白くフニャフニャの若葉が、やがて薄い黄緑色になり、張りが出てくると徐々に緑が濃くなっていき、3週間後の会期最終日頃には、初夏の青空に燃えるような緑色となり天に広がる。その青空と樟若葉の色のコントラストは眩しいほど強く、樟の杜は生命の輝きで満ちる。新芽の皮が落ちはじめた今日がその最初の一歩とも言える。

 

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会場向かって右の樟葉は黄色いが、、、

 

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会場向かって左の樟葉は赤い。木によって特徴があるのも樟の面白いところ。他にも葉が大きかったり、丸かったり、長かったり、もっと真っ赤だったりと木によって葉っぱの特徴が違う。

 

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新芽の皮。一昨日は全く落ちていなくて、昨日は雨で、正に今日から登場。

 

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大量の落ち葉で掻き山は大きく急成長。


くすかき六日目。大雨らしい大雨。

くすかき六日目。6:30〜〈日々のくすかき〉(雨のため中止)。10:00-16:00〈山かげ亭での制作〉(参加者24人)。昨夜から降り始めた雨が今朝ピークを迎えた。大雨らしい大雨。

 

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朝6:30の境内。薄暗い。人はいない。

 

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山かげ亭での制作。玄関の風景。

 

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芳樟袋と手ぬぐいの販売が太宰府天満宮案内所ではじまっております。売り上げは〈くすかき〉の運営資金になります。ご協力のほどよろしくお願いします。

 

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心強い制作チーム。