そらあみ15日目。今日は13人で編んだ。ひな祭りだったせいか甘いお菓子の差し入れの多い日だった。そして、連日参加してくれている方が多く集ったので、編み進むのが早かった。この調子でいくと明日には2枚目(1枚のサイズは高さ3m×幅15m)も編み上がってしまいそうである。
編みながら会話も弾む。
「これが終わってしまったら淋しくなるわ。どうしようかね」
「ボケ防止にちょうど良かったのにね(笑)」
「あんたどっかにこんな風にみんなが集まれる場所つくってよね」
「どうせ家にいても、テレビの番と、ストーブの番するくらいしかやることないし」
「ごろごろしとると、かあちゃんには掃除の邪魔って言われるし」
「うちはまだ旦那がいるから、ご飯つくってくれって言われるからまだやることあるけど、なんもせんやったらすぐに死にそうやわ」
「うちの旦那は早く死んでね」
「いくつやったの?」
「60代よ。でも、こうして、ここに来て、みんなと過ごして、残りの人生を楽しんでるの」
「良い人間は早死にするって言葉、あんた知っとる?」
「憎まれっ子、世にはばかるってね(笑)」
「じゃあ、あんたらずいぶん長生きするね(笑)」
「おにいちゃんはいくつなの?」
「36歳です」
「じゃあうちの子よりも若いわ」
「あたしらはもうすぐお迎えがくるけど、まだまだ若いわね」
「わしらなんか70歳過ぎてから、もう、毎年ちゃんと年を越えられるかどうか分からんからな」
「あ!関係ないけど富山の方言教えてあげよか?」
「はい。是非」
「かーかー、かー、かー、かー」
「?」
「どんな意味か分かる?」
「分からんです」
「最初の《かーかー》は、『お母さん』の意味」
「次の《かー》は『これ』という意味」
「その次の《かー》は『蚊』のこと」
「そんで最後の《かー》は『◯◯ですか?』という意味」
「だから、《かーかー、かー、かー、かー》は、『お母さん、これ蚊ですか?』という意味」
こうして今日も網が編まれていった。
あれ?いつもと格好が違いますね。おう今日は会合があるんや。会合までの時間に寄ってくれました。
網針に糸を仕込む方々。網を編み進める方々。なんだかごくごく自然なのです。
この方々と、そういえば毎日一緒にいるな(笑)来ないと逆に心配になりそうです。
ヒミングアートセンターの入口のドアから見える風景。