くすかき二十一日目。くすのかきあげ前日。明日がいよいよ最終日。今日が最後となる6:30からの〈朝のくすかき〉には大人23名、子供11名、合計34名が集った。
朝のくすかきは、落葉数が意外と多かったので、いつもの柵の範囲を中心に丁寧に行い、最終日まで掻き山に沢山の葉っぱが加わり、今年の掻き山はおそらく過去10年で最大の大きさになり、形も美しく整えられた。
日中の山かげ亭では、芳樟袋と樟香舟の制作が追い込みとなっており、平日ではあったが多くの方に集まっていただき、どうにか仕上げることができた。
夕方からは、明日の直会の食事の下準備に女性陣が中心となって奮闘していただき、柵設置は仕事を早めに切り上げて駆けつけてくれた大人と中学生の男性陣が中心となって無事に設置完了。
東京、愛知、広島など各地からも、最終日に合わせて続々と太宰府入りし、いよいよ明日が、かつてあった千年樟を描きだす一年に一度だけの朝〈くすのかきあげ〉だという雰囲気が出来上がった。
何をどうすればよいか、今年はどんな風にしたいか、それぞれの想いを持って関わってくれている人が年々増えてきていて、そこに初めての人もほどよくいて、誰かから誰かへ〈くすかき〉にまつわるいろいろが伝えられ、毎年少しずつプロジェクトは成長しながら、その年の形になっている。
毎年決して余裕があるわけではないのだが、自分自身も含め関わる人それぞれに楽しめる部分が増えていっているように感じる。
これは1人ではつくれないものだ。くすかきは、樟の落葉に合わせて春を迎えるという四季の節目、その感動を皆で共有するという1つの季節をつくっている。
さぁ明日は早朝5時に天神広場集合で葉っぱを広げるところから、長い一日がはじまる。
会期前半、例年に比べ暖かい日が多かったので、後半は落葉がなくなる予想をしていたが、そうでもなかった。
とはいえ落葉終盤なので、枝がたくさん落ちてきており、分別に時間をかけて丁寧に。
広い天神広場も一定の縞模様を入れていきました。まるで今年の仕上げの仕事をしているようです。
大きさ、高さ、形、どれもこれまでにない完成度。
この位置にある掻き山は今年はこれで見納め。横の大きな樟の幹に負けないくらいの存在感が出ています。
日中の山かげ亭。手前は芳樟袋、奥は樟香舟の制作。
芳樟袋と樟香舟、これらは〈くすかき奉加帳〉というプロジェクトへの寄付制度に参加してくださった全国の方々へのお礼の品。太宰府からの春の香りとしてお届けいたします。
直会の食事の下準備。昼の部、夜の部と合わせると毎年80人前。食材無駄なくできるあたりは本当にすごいです。
柵設置も無事に完了。そう、この場所に実際に平成6年(1994年)まで樟が存在したのです。