くすかき四日目。年に一度会う親戚のおじちゃん。

くすかき四日目。6:30〜〈日々のくすかき〉(大人16人、子供9人)が行われた。前回が雨だったので朝としては今日が初日となった。どれくらいの人が集まるかな〜?と毎年ドキドキするのだが、なんと今年の朝の初日は25人!多い!たくさんの人が集って、すばらしい朝のくすかきとなった。

 

何に驚いたって、何と言っても子供たちの成長である。去年の春以来の一年ぶりの再会。手足が伸びて、すらっとして、一瞬誰か分からないくらいみんな大きく成長している。

 

あちこちで「でかくなったな〜」「もう親父と変わらんやん」「ちょっとまって、足が長すぎん?」「がっちりしたなぁ」「もうすっかりお姉さんやね」なんて会話が交わされている。子供たちは照れ臭そうに黙っている。その黙って少し恥ずかしそうにしている表情がまたなんとも胸をうつ。

 

まさに、年に一度会う親戚のおじちゃんになった気分である。

 

実際に〈くすかき〉の作業を通じても、一つ一つの所作や判断、行動にみんなそれぞれの成長をあからさまに感じられ、逞しくなっているのである。

 

くすかきは今年で12回目。1回目に母親に抱かれて参加していた赤ちゃんが小学6年生になった。彼らの成長を共に感じられることもまた、くすかきの楽しみの一つである。

 

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今朝も春にしては暖かい。落葉も多い。

 

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25人にはびっくり!朝の6時半です!

 

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彼らの一年分の成長を感じられた朝。

 

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若葉が芽吹くこの時期と、子供たちの成長が重なる。くすかきは彼らによく似合うプロジェクトである。

 

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次の落ち葉のために整えられた空間が美しい。

 

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この時期は巫女さんも樟の葉をはわきます。


くすかき三日目。今年の初もの、樟脳回収。

くすかき三日目。〈くすかき〉は月曜定休なので今日はお休みなのだが、昨日の〈くすのこうたき〉で抽出した樟脳回収のみ行った。月曜日の樟脳回収も朝のくすかき同様に6時半から行っている。学校に行く前に見たいという希望から、いつしかこの時間が恒例となった。なので、お休みだけどやはり同じ時間に起きるのである(笑)。暖かい春のせいか回収量が少ない。他に何か原因があるのか?ただし香りは素晴らしい。これぞ春の香り。

 

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冷却タンクの内壁。白い結晶が樟脳です。

 

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ヘラで回収します。

 

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少ない!でもいい香り!


くすかき二日目。樟の落葉時期に追われたい。

くすかき二日目。今日は大雨ではじまり、夕方には日が射し、空模様が激変した一日だった。6:30〜〈日々のくすかき〉は雨のため中止。10:00〜〈くすのこうたき〉(大人9人、子供1人)、16:00〜〈日々のくすかき〉(大人10人、子供4人)は通常通り開催することができた。

 

昨日は柵設置をしたので、今朝6:30が〈日々のくすかき〉としては初日だったのだが、大雨で中止。いきなり雨でできなかったというのは初めてのことかもしれない。

 

しかし今年の春は暖かい。というかむしろちょっと暑いくらいである。

 

神職の方「五十嵐くん、今年は樟の落葉、だいぶ早いよ」

神苑管理部の方「来るの遅かったやん、早よせな、終わるよ(笑)」

五十嵐「はい。ほんと今年は早いですね。焦っております(笑)」

 

今年の樟の落葉は例年に比べると1〜2週間早い印象。お宮の皆さんからの愛のあるエールに嬉しさを感じつつも、会期中に落葉が終わってしまうのではないかと焦りを覚える。

 

来年以降、1週間ほど会期を前倒しにすることも検討した方が良いかもしれない。温暖化の影響だろうか?年々落葉時期が早くなってきているように感じている。

 

そこで、会期の前倒しについて、神苑管理部(庭師)の方に相談すると意外な反応が帰ってきた「いや、それを決めるのはまだ時期尚早だと思うよ。遅くなる年もあるし、何年か様子を見てから決めた方がいい」

 

ずっと、この土地の植物と向き合ってきた方のブレないこの言葉になんだか安心した。

 

くすかきの会期は樟の落葉時期に合わせている。人の都合ではなく樟の都合。人の時間ではなく、樟の時間。

樟に寄り添うことで、この星で起きている環境の変化を感じたり、樹齢1000年という時間軸で物事を考えられたりする。人の都合だけで作られた世界はどこか余裕がなく窮屈に感じる。

 

窮屈といえば、、、今生きていて、自分はいつも何かに追われているように感じる。いったい、いつから何に追われているのだろう?メールか?LINEか?ネットワーク社会は早くて便利すぎて、逆に自分の時間が奪われている。しかし、果たして自分を追っているのはそれだけか?43才になり人生の折り返しを迎え、残りの生きる時間に追われているのか?いつからこんなにいろんなものに追われるようになったのだろう?

 

とはいえ、よくよく考えれば、自分で自分を窮屈にしている。というか人が人を窮屈にしているのだ。だが便利さを捨てることはできない。それならば自分で自分の時間をコントロールするしかない。もっといえば時間の感じ方をコントロールするしかない。人としてしか生きられないが、樟のような時間感覚の幅を持っていたい。

 

どうせ何かに追われるなら樟の落葉時期に追われたい。そう考えると今年は贅沢なのかもしれない。

 

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くすのこうたき(樟脳づくり)にて、樟の葉っぱを細かく砕きます。

 

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砕いた葉っぱを蒸留装置に入れ水蒸気で蒸しあげます。

 

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蒸されて葉っぱから溶け出した樟脳成分が冷やされ、白く結晶化したものが樟脳です。

 

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釜を粘土で補修中。粘土も山から掘り出します。

 

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燃料にする薪割り。もはや達人。

 

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安定の仕事ぶり。ご自宅も薪ストーブで慣れているとのこと。

 

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ねんどぼーいず。

 

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まきわりがーるず。

 

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夕方のくすかき。見よ!この量(笑)

 

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気持ちよく晴れました。

 

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最初の最初の掻き山。ここから日を追うごとに、どんどん大きくなります。

 

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たくさんの掻き山。

 

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葉っぱとそれ以外(枝など)を分別します。

 

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分別できた葉っぱを掻き山に足していきます。

 

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最後は縞模様を入れて、次の葉っぱの落ちて来る場所を整えます。

 

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丁寧な所作。ゆっくりとした時間が流れます。


くすかき初日。〈くすかき〉とは葉っぱの落ちてくる場所を整える(つくる)こと。

くすかき初日。8:00〜職人の原口さんから松葉ほうき受け取り。13:30〜御本殿にて〈くすかき成功祈願祭〉(大人11人/子供0人)。14:00〜〈柵設置〉と〈くすのこうたき〉の準備を行い、無事に初日を終えた。

 

例年だと初日は職人の原口さんに来てもらって、松葉ほうきづくりからはじまるのだが、原口さんが83才ということもあり、新型コロナウイルスの感染を避けるため、今年は希望者が松葉ほうきを購入する形をとることにした。満開の桜の下で松葉ほうきを作るという、あの贅沢な時間を楽しめないのが残念で仕方ない。来年こそ開催したいところだが、原口さんも83才になられるので、今後、松葉ほうきづくりをどうしていくか考えていく必要がある。

 

8時、朝の清々しい光の中、満開の桜の下で15本の松葉ほうきを受け取った。原口さんに聞くと、後継者はいないという。研修に行く?なんて声も出るが、見た目の美しさはもちろん、使ったときの程よいしなりなど、このクオリティで作れるとは思えない。今できることとして今年は制作の様子を映像記録としてカメラマンの仲信君に残してもらうお願いをした。松葉ほうきを作れる人がいなくなったら、天満宮はもちろん全国の寺社や庭園は困るだろう。原口さんの松葉ほうきを買いに来て飛行機で大阪まで運んでいるところもあるという話も聞いた。くすかきにとっては一番大事な道具である。まずは大事に長く使うことを心がけたい。

 

13時半、〈くすかき成功祈願祭〉。御本殿に上がって、天神様にご挨拶。立つこと、座ること、歩くこと、手を合わせること、礼をすること、一つ一つの所作に意識を巡らす。ピシッと背筋が伸びて、気合が入る。祝詞を聴きながら去年のくすかきを振り返っていた。

 

去年は会期中に新型コロナウイルスに対して緊急事態宣言が出たため、最後は1人での〈くすかき〉となった。1人で向き合う天神広場は広くて大変だったが、1人になったことで、あらためて〈くすかき〉にとって一番大切な考え方を確認する貴重な機会となった。〈くすかき〉とは何か?

 

〈くすかき〉とは葉っぱの落ちてくる場所を整える(つくる)こと。

 

今年もこれから3週間、葉っぱの落ちてくる場所を整えます。そして、最終日の4月17日には、かつて天神広場に存在した大きな樟の木の葉っぱが落ちてくる場所を、そこにはない樟の木を想像しながらつくりあげます。

 

樟の葉っぱに触れ、新芽を見上げ、匂いを感じ、五感を開いて、見えないけれど大切なことと向き合う春がはじまります。

 

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会期前3/21の準備の様子。〈くすのこうたき(樟脳づくり)〉のための水蒸気蒸留装置設置。

 

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釜に火入れ

 

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燃料となる薪は〈くすのこうたき〉会場の鬼すべ堂の裏山から不要になった丸太を運び出します。

 

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釜づくりを終えて、令和三年(2021年)の水蒸気蒸留装置設置完了。

 

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3/24芳樟袋に入れる樟の葉っぱを集めに天神広場へ。今年の樟の落葉は例年に比べて1〜2週早い。

 

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静岡県の浜松より、プロジェクトメンバーの黒野さんから芳樟袋に取り付ける〈こより(紙の札)〉が届いた。こよりも全て手作りです!同封されていた手紙には、今年もコロナで現地入りを見送るのが残念だけれど、こよりに想いを込めますとのメッセージ。再会したい気持ちが2年分募る。

 

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3/24滞在先、兼制作スペースである山かげ亭(お宮のレジデンス施設)の桜が満開です。

 

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この桜とは12年の付き合いになります。毎春、満開で迎えてくれます。いつしか自分にとっての桜の木は、この木になりました。

 

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3/26山かげ亭での制作風景。芳樟袋のパッケージにハンコ押し。

 

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手ぬぐいに帯を巻いて、参加カードも準備万端。

 

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芳樟袋。中川政七商店さんからの毎年の生地提供。感謝です。樟葉が入って、こよりも付いて出来上がり。案内所と宝物殿で販売しています。くすかきホームページからも購入可能です。収益はプロジェクト運営資金とさせていただきますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

 

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3/27水蒸気蒸留の薪となる丸太をチェーンソーで切ります。

 

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3/27くすかき初日。〈日々のくすかき〉のメイン会場となる天神広場石灯篭前の葉っぱを集めて、まずは場所を整えます。

 

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柵設置無事に完了。


くすかき十一日目。緊急事態宣言を受け、みんなに大事なことを伝えた朝。

くすかき十一日目。〈くすかき〉の会期は22日間なので、今日がちょうど中日になる。今朝の気温は8度と少し肌寒い。6:30からの〈朝のくすかき〉には大人21名、子供11名、合計32名が集った。

 

毎年だと、ここから会期の後半に入り盛り上がっていくのだが、本日4月7日の新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言を受けて、明日から〈日々のくすかき〉は原則 五十嵐1人で行うということを、はじまりかけた〈くすかき〉の手を止めてもらって、急にみんなを集めて伝えた。最初に伝えられたのは「きっとみんな今朝が最後だと分かってやった方がいい」と、ずっと一緒にやっている仲間からの一言のおかげだった。

 

五十嵐「みなさん、おはようございます!」

 

みんな「おはようございます!」

 

五十嵐「日々のくすかき、今日は4月7日。ほんとたくさんの方が集まってくれて、今年はいい雰囲気で〈くすかき〉ができているのですが、新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言が今夜発令され、福岡県もその対象になるとのことです。自分も悩んで、昨夜も何人かの人と相談したのですが、〈くすかき〉を千年続けるために、来年につなぐために、一番いい形は何かなと悩んで、今も悩んではいるのだけれど、、、〈くすかき〉って見えないものを想像するプロジェクトでもあって、ウイルスという見えないものを想像してみて、仮に来てくれた人から誰かにという風に〈くすかき〉の現場から伝染してしまって、おじいちゃん、おばあちゃんにかかってしまったり、体があまり元気のない人にかかってしまったり、、、今は若い人にも重症化するケースもあるそうです。同じように今、世界中でコロナウイルスと向きあっています。そのことを想像すると、今は大丈夫なんだけど、この先1週間とか続けて行く中で、感染が起きる可能性もあるなって、、、まだ元気にできているうちに、今年は、、え〜、、日々のくすかきに関しては、、、今日が最後に、、なると、、思いますので、、、なる可能性が一番あるので、、、」

 

少年「え?ない可能性もある?」

 

五十嵐「ない可能性は、今日中にコロナがなくなっちゃえばいいのだけど、そうじゃなくなりそうなんだよね、、、くすかきの会期中もずっと増えていきそうだから、、なので、今年はですね。、、とはいえ葉っぱが落ちてくるから、私が1人でやると、、、」

 

少年「ぇぇ、やりたい、、、」

 

五十嵐「やりたいんだけどね、、、。ごめんね」「くすかきは、最初は僕が1人で、葉っぱが落ちてきて掻いているのが面白いなぁってはじめて、1人ずつ仲間が増えていって、、一緒にやれる仲間が今年もまた新たに増えて、輪が広がっていっていて、そうやって一人一人が〈くすかき〉をしているのが集まって、今の形がある。もちろん、みんなでやりたいってのはあるんだけど、今年は1人で、、、1人ずつやる。だから、この場所は僕がやるから、それぞれの場所で〈くすかき〉をするとか、またみんなで相談しつつできればと思うんだけど、おそらく今日が、みんなでやる朝のくすかきの最後になります。そういう心づもりで、、、残念だけど、今日、おもいっきり〈くすかき〉して欲しいなっていうので、最初に集まってもらいました。じゃあ、はじめたいと思います!」

 

みんな「、、、よろしくお願いします」

 

少年「山かげ亭は?お手伝いするって言ったのに」

 

五十嵐「山かげ亭も、いがちゃん以外の出入りはいったんなしにしようって、、、。」「今、みんなで防げるようにがんばろうって、、、」「ほんとはやりたいんだけどね、、、」

 

少年「、、、じゃあ、ニュースで行っていいってことになったら、ちゃんとみんなに連絡してね」

 

五十嵐「、、、もちろん」

 

普段どちらかというとおちゃらけていて、ムードメーカー的存在の少年からの素直な言葉は深く胸に刺さった。このやりとりに涙を流す人もいた。「行っていいこと」には、きっとしばらくずっと、ましてや〈くすかき〉の会期中にはならない。

 

今年くすかきは11回目を迎える。11才の彼は生まれた時から〈くすかき〉に参加している。彼にとって〈くすかき〉のある春が日常なのである。11年目の日常が失われていく。きっと今、世界中のあちこちでこうして日常が失われていっているのだろう。

 

戦争を体験したことはないし、戦時中はもっと圧力が強かったと思うが、きっとこんな風に見えない外的圧力によって日常が奪われていったのだろう。

 

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みんなでやる今年最後のくすかき。

 

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地元の同級生どうし。

 

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遠くから朝一番の電車で来てくれてます。「どうしても参加させてあげたくって」と言って姉を連れて来た妹。姉妹で協力して〈くすかき〉。

 

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親子の組み合わせは違うけど一緒に〈くすかき〉。

 

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天神広場全体を整えます。

 

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みんなで作る掻き山はこれが今年は最後。

 

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こんな日にかぎって、滞在先の桜はちょうど満開を迎えました。

 

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華やかに咲けば咲くほどに、どこかさみしい春。


くすかき十日目。寒い朝。

くすかき十日目。今朝の気温は6度とかなり寒い。この寒さもまた春らしくて好きである。今日はくすかきは定休の月曜日だったので、昨日の〈くすのこうたき〉で水蒸気蒸留した樟脳の回収のみ朝6時半から行った。寒い朝なので収穫量に期待したが昨日と変わらず少ない、、、。よくみると管が樟脳で詰まっている!これはパイプ掃除をしなくては!

 

夜に、インターネットを使ったZoomでの会議(テレビ電話のような会議)を行なった。いよいよ明日、4月7日に新型コロナウイルスの感染拡大を受けて緊急事態宣言がでることが決まったからだ。7つの都道府県の1つに、ここ太宰府のある福岡県も入っている。

 

Zoomでの会議では、太宰府の様々な仕事や立場から、より現場に近い視点からの考えが聞けたり、東京や静岡といった離れたところで起きていることや、ネットを介した〈くすかき〉の見え方の現状や心配な点など、いろいろな人材の様々な土地からの意見が聞けて非常に参考になった。そして、あらためてこのプロジェクトに関わる人たちの〈くすかき〉への想いを確認することができた場となった。

 

そして、今年は今後1人でくすかきをする判断をした。お宮や関係者に迷惑をかけたくないというのももちろんだが、くすかきに関わる人から感染者が出たり、それをきっかけに、それぞれの爺ちゃんや婆ちゃん、肺に失陥がある人なんかに広がって、悲しい思いをして欲しくないというのが一番の理由だ。

 

3月はじめ、太宰府入りする前に「最悪、1人でやる」という宣言をしていたものの、当時はどこか現実味がなく、冗談のように聞こえていた言葉だったが、まさか本当となるとは、、、。

 

すべてはこの先に、千年先につなげるため。

 

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水が本当に冷たい。

 

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ドラム缶の内壁についているのが樟脳。収穫量は少ない。

 

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フワフワしている。多いときはもっと固まっている。

 

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管が樟脳で詰まっている!

 

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冷却タンクに行けなかった樟脳成分が、蒸留装置の中で結晶化してました。

 

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蒸留水を貯めるタライからも樟脳を回収。

 

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量が少ない時は希少性が増し、回収中に落とさないようにと、緊張感があります。

 

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今日採れた樟脳。やっぱりちょっと少なめです。


くすかき九日目。樟の木の中で起きていること。

くすかき九日目。今朝の気温は9度。暖かい朝が続いている。6時半からの〈朝のくすかき〉には大人21名、子供10名、合計31名。その後、10時からの〈くすのこうたき〉と16時からの〈夕方のくすかき〉には大人12名、子供5名の参加があった。

 

会期中、毎週末の土日で〈くすのこうたき〉と題し、樟の葉っぱを水蒸気蒸留し樟脳づくりを行っている。これまでの経験で寒い日の方が、樟脳がたくさん採れるようなのだが、昨日も今日も朝は10度前後で日中は20度以上と、かなり暖かいため、あまり収穫量は期待できない。

 

天然樟脳づくりを日本で唯一されている内野樟脳につくり方を習いに行った時に、ご主人から聞いた話だが、何度同じやり方でやってもフタを開けてみるまでは、どれくらい採れているか分からないというのだ。

 

これは、自然条件によって樟脳の収穫量は左右されるということである。もっといえば、天候や気温や気圧の変化に、樟は反応しているということである。

 

そう考えると〈くすのこうたき〉で樟脳を取り出し、それを観察するということは、樟の木の中で起きている反応を見ているとも言える。

 

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今朝は天神広場全体を〈くすかき〉しました。

 

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今朝の光りも美しい。

 

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樟脳を抽出するための葉っぱを鬼すべ堂へ運びます。

 

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昨日の〈くすのこうたき〉で採れた樟脳。

 

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丁寧に樟脳回収。

 

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収穫量は少ない。先週に比べると半分くらいだろうか。

 

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風が吹いた。樟を見上げ、落葉の瞬間を待つ少年。

 

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明日はたくさん樟脳採れますようにと、薪を焚べる。

 

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夕方のくすかきを終えた。西日を浴びて葉っぱが縮んでいる。今日の空は5月の空のように青かった。


くすかき八日目。満開の桜が静かに咲いている。

くすかき八日目。今朝の気温は9度だったが、日中は20度まで上がりあったかい日となった。樟の落葉はほどよく平均的な量。光が美しい気持ちの良い朝。6時半からの〈朝のくすかき〉には大人19名、子供9名、合計28名の参加。その後、10時から〈くすのこうたき(樟脳づくり)〉、16時から〈夕方のくすかき〉といった1日。

 

週末の外出自粛要請が出ているため、基本的に参加の呼びかけはせずに行ってはいるが、毎年一緒にやっている仲間は自然と集まる。屋外で距離をとって、アルコール消毒を用意して、マスクの呼びかけ、といった対応をしているものの、人が集まって何かをしている状況への視線が気になるようになってきた。

 

参加型ではなく、制作現場のアシストといった位置付けで必要なアシストをお願いする。といった考えで、、、とも思うが、状況は悪化していく一方。やはり今年の〈くすかき〉のやり方を考え直さなければならない。

 

鬼すべ堂では、満開の桜が静かに咲いている。

 

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平均的な落ち葉の量。

 

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葉っぱ以外の枝や小さな若芽の皮を除いてから、真ん中の掻き山に足します。

 

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光が美しい朝。縞模様のコントラストが強くなります。次なる葉の落ちてくる場所が整いました。

 

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朝のくすかきが終わった後に境内に朝日が入る瞬間が本当に美しい。

 

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まだ薄い若葉が朝日を浴びて、透けるように光っている。

 

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見上げると、しばらく黙ってしまう。

 

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〈くすのこうたき〉にて。水蒸気蒸留のため薪を満開の桜の元で割る。

 

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静かな日。

 

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日中気温が上がったため、朝整えた縞模様の上には、夕方たくさんの落ち葉があった。


くすかき七日目。メディアデイ。

くすかき七日目。今朝の気温は10度。暖かい日が続いている。家から外に出ると体が“ぎゅ〜”となって思わずポケットに手を入れたくなる寒い朝がまだない。朝の〈くすかき〉には大人20名、子供10名、合計30名が集った。

 

今日はメディアデイ。朝からカメラが2台。1つは〈くすかき〉の記録映像を11年つくってくれているカメラマンであり映像作家の仲信くんの撮影。もう1つは太宰府天満宮が発信するYouTube動画で樟をテーマにしたプロモーションビデオのための撮影。そして、ラジオ局「LOVE FM」のスタジオ出演で〈くすかき〉の紹介をさせてもらった。

 

まず11年というスパンで〈くすかき〉を見つめ、映像という形に残してくれている仲信くんの眼差しは非常に貴重なものである。先日話をしたときに「いつか、葉が枝から離れ、落ち葉になって落ちて来る瞬間を映像で捉えたくて。でも11年撮影してると、最近、あ!そろそろ落ちるなというのが分かってきた気がする(笑)」とのこと。楽しみが増えました。仲信くんの映像の魅力は、もちろん樟に対するものだけではなく、会期3週間の人間模様や人の成長を追いかけてくれているところである。くすかきを伝える時に一番のメディアとして彼の映像を使わせてもらっている。去年の映像がYouTubeにアップされているので是非ご覧ください。

https://www.youtube.com/channel/UCacZglllaljf2prERyYCteQ

 

そして、太宰府天満宮が発信するYouTube動画で樟をテーマにしたプロモーションビデオをつくるにあたって、そのワンシーンとして〈くすかき〉を入れてくださるというのが、非常にありがたく、光栄なこと。この11年のあいだ、あたたかく時に厳しく、叱咤激励してくださりながら、プロジェクトであり私の成長を見守ってくださっていることに、あらためて感謝するとともに、11年目の挑戦に対して気持ちが強くなる。撮影チームの方の話では5月には納品する予定とのことだったので非常に楽しみである。世の中に発信されるのは来年の春になるだろうか。

 

最後にラジオ局「LOVE FM」への出演は去年に引き続き2回目。〈くすかき〉をともにつくってくれている仲間の知子さんの紹介。これもまた人から人へとつながって広がっていく〈くすかき〉らしいご縁だなと感じる。しかし、今年のスタジオでのトークは、刻一刻と状況が変化していく新型コロナウイルス影響のため、「どしどし、ご参加ください」とか「みんなで集まって良い雰囲気でやっております」といった言葉は使いづらく、非常に難しいものであったが、樟の木が大好きなDJのルーさんのサポートで無事にトークを終えることができた。

 

いずれにせよ、積み重ねてきた関係に〈くすかき〉の成長を感じることができた日となった。

 

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もう1つ。〈くすかき〉の成長は彼らの成長とともにある。

 

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お宮発信のYouTube用撮影チーム。東京から撮影にいらしてました。ちなみにカメラマンは外国の方でディレクターの方と英語でやりとりしてました。

 

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参加カードの葉っぱのスタンプも増えていっています。

 

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スタジオは天神にあります。久しぶりの都会です。

 

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DJのルーさんとスタジオにて。ありがとうございましたー!


くすかき六日目。友達を誘ってくる。

くすかき六日目。今朝の気温は9度。肌寒いが中には半袖の少年もいた。朝の〈くすかき〉には大人14名、子供11名、合計25名が集った。

 

今日、初めて参加してくれた人がいる。この春、中学一年生になる「そうすけ」くん。友人の紹介で〈くすかき〉に来た。その友人は毎年参加してくれている。

 

友達を誘ってくれたというのがとても嬉しかった。〈くすかき〉は、人に説明するのがなかなか難しいところがあって、一度来てしまえば、やることはとてもシンプルだし、大人も子供も楽しめる。場所の雰囲気や流れる時間の魅力はそこで伝わるし、自分に合うか合わないかというのは分かる。

 

しかし、いったいどんな風に誘ってくれたのだろう?それは分からないが、ひとつ分かることは、自分の言葉で〈くすかき〉を説明し誘ってくれたということだ。説明の内容よりも、そこが重要なのである。

 

自分の言葉で説明するとき、そこには本人にとっての〈くすかき〉がある。地域づくり、奉仕活動、健康維持、早起き習慣、観光資源、木々とのふれあい、子育ての一環、友達作り、などなど。その人の理解でよい。解釈や関わり方に幅があるという意味でも、それがアートプロジェクトである魅力でもある。人の数だけ〈くすかき〉がある。

 

人から人へ、そこにはちゃんと〈気持ち〉がある。その〈気持ち〉を大切に、こうやって本当に少しずつ広がって11年。今後、爆発的に参加者を増やしたいわけでもない。これからも〈気持ち〉がちゃんと広がっていくように、仲間が増えていくことを楽しみにしている。

 

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昨日の雨で大量の落ち葉。

 

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半袖の人。マフラーの人。

 

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どんどん掻き山が大きくなります。

 

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掻き山の形も整えられ、地面に縞模様も入って、新たな一枚が落ちて来るための場所を整え、朝のくすかき終了です。

 

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日中の山かげ亭では窓全開で換気とアルコール消毒をしながら、週末に葉っぱから抽出する樟脳を包む「樟香舟」を折り紙しています。